007/ダイヤモンドは永遠に

SF映画情報

007/ダイヤモンドは永遠に

作品概要

『007/ダイヤモンドは永遠に』(原題:Diamonds Are Forever)は、1971年に公開されたジェームズ・ボンドシリーズの第7作目です。ショーン・コネリーがボンドを演じる最後の作品(※その後『ネバーセイ・ネバーアゲイン』で再演)としても知られています。監督はガイ・ハミルトンが務めました。

本作は、ボンドがダイヤモンド密輸組織の陰謀を阻止するために奔走する物語です。豪華なセット、エキゾチックなロケーション、そして魅力的なボンドガールたちが登場し、シリーズらしいエンターテイメント性の高い作品となっています。

あらすじ

物語は、世界中で発生しているダイヤモンドの密輸事件から始まります。イギリスの宝石研究所から大量のダイヤモンドが盗まれ、その背後に国際的な密輸組織がいることが判明します。ジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)は、この謎の組織を追う任務を与えられます。

ボンドは、ダイヤモンドの密輸ルートを辿るうちに、アメリカのラスベガスにたどり着きます。そこで彼は、風変わりな億万長者であるウィリー・ホワイト(ブルース・デン)と、彼の協力者であり、謎の女殺し屋であるティファニー・キャッスル(ジル・セント・ジョン)と出会います。

しかし、ホワイトはボンドが追う密輸組織の首謀者であり、その目的は世界を混乱に陥れることでした。ホワイトは、衛星兵器に搭載するための巨大なダイヤモンドを密かに製造し、それを軍事力として利用しようと企てていました。ボンドは、ティファニーの助けを借りながら、ホワイトの恐るべき計画を阻止するために、ラスベガスのカジノ、砂漠、そして石油採掘施設など、様々な場所で死闘を繰り広げます。

物語のクライマックスでは、ボンドはホワイトの巨大なダイヤモンド採掘基地に潜入し、衛星兵器の発射を阻止しようとします。激しいアクションとスリリングな展開の末、ボンドはホワイトとその陰謀を打ち破るのでした。

主な登場人物

ジェームズ・ボンド

本作でショーン・コネリーが演じる最後のボンド。依然として魅力的で、冷静沈着、そして優れた戦闘能力を持つ英国秘密情報部員です。ダイヤモンド密輸組織の陰謀を暴き、世界を救うために奔走します。

ティファニー・キャッスル

本作のボンドガール。当初はウィリー・ホワイトの協力者として登場しますが、ボンドの魅力に惹かれ、次第に彼の味方となります。彼女の行動は、ボンドの任務遂行において重要な役割を果たします。ジル・セント・ジョンが演じています。

ウィリー・ホワイト

本作のメインヴィラン。風変わりな億万長者であり、ダイヤモンド密輸組織の首謀者。巨大なダイヤモンドを悪用して世界を支配しようと企んでいます。チャールズ・グレイが演じています。

キラ・アイズ

ホワイトの配下で、ボンドを執拗に追う女性暗殺者。身体能力が高く、ボンドを苦しめます。ローレツ・ロマーノが演じています。

見どころ・特徴

ショーン・コネリーの最後のボンド

ショーン・コネリーがジェームズ・ボンドを演じる最後の作品(※『ネバーセイ・ネバーアゲイン』を除く)として、彼のボンド像の集大成とも言えるパフォーマンスが光ります。円熟した魅力を放ち、シリーズのファンにとっては特別な意味を持つ作品です。

ラスベガスの豪華絢爛な世界

本作の舞台は、カジノやホテルが立ち並ぶラスベガス。その豪華絢爛な世界観が、視覚的に楽しませてくれます。ボンドがカジノでプレイするシーンや、カーチェイスの舞台となる点も見どころです。

ユニークな悪役

ウィリー・ホワイトは、従来の悪役とは一線を画す、 eccentric(風変わり)なキャラクターとして描かれています。そのユニークさが、物語に独特のユーモアと緊張感をもたらしています。

印象的なアクションシーン

月面車でのカーチェイスや、石油採掘施設での激しい戦闘など、本作には記憶に残るアクションシーンが豊富に盛り込まれています。

ジョン・バリーによる音楽

ジョン・バリーによる音楽も、本作の魅力を高めています。特に、タイトル曲はキャッチーで、ボンド映画らしい高揚感を与えてくれます。

製作背景・エピソード

当初、本作のボンド役にはジョージ・レーゼンビーが起用される予定でしたが、彼はボンド役を降板しました。そのため、ショーン・コネリーが再びボンド役を演じることになりました。コネリーの復帰は、多くのファンにとって歓迎されるものでした。

本作の製作にあたり、アメリカのネバダ州、特にラスベガスが主要なロケ地となりました。ラスベガスの派手な街並みや砂漠地帯が、物語の雰囲気を盛り上げています。

ティファニー・キャッスルを演じたジル・セント・ジョンは、ボンドガールとして人気を博しました。彼女の明るく魅力的なキャラクターは、ショーン・コネリー演じるボンドとの相性も抜群でした。

本作には、アニメーション映画『トムとジェリー』に登場するネズミの「トム」と「ジェリー」の名前が、登場人物(ウィリー・ホワイトの護衛に「トム」、ボンドの追跡者の一人に「ジェリー」)に付けられているという、遊び心も含まれています。

まとめ

『007/ダイヤモンドは永遠に』は、ショーン・コネリー最後のボンド作品として、シリーズの魅力を存分に味わえるエンターテイメント大作です。ラスベガスの華やかな世界、ユニークな悪役、そしてボンドらしいアクションとユーモアが融合し、観客を飽きさせません。ダイヤモンド密輸組織の陰謀という、当時の時事問題も反映されたストーリー展開も興味深い点です。ショーン・コネリーの円熟したボンド像と、ジル・セント・ジョンの魅力的なボンドガール、そしてチャールズ・グレイ演じる記憶に残る悪役など、キャスト陣の演技も光ります。アクション、スパイ、ロマンスといったボンド映画の王道要素をしっかり押さえつつ、シリーズに新たな風を吹き込んだ作品と言えるでしょう。

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