映画: お色気小娘カレッジへ行く
作品概要
『お色気小娘カレッジへ行く』(原題: National Lampoon’s Animal House)は、1978年に公開されたアメリカ合衆国のコメディ映画である。監督はジョン・ランディス、主演はジョン・ベルーシ。当時、若者を中心に絶大な支持を集め、後の青春コメディ映画に多大な影響を与えた。
この映画は、1962年を舞台に、落ちこぼれ大学生たちが所属するデルタ・ハウスという名の、規律無用の学生寮を舞台にしたドタバタ劇を描いている。エリート学生寮であるオメガ・ハウスとの対立や、大学当局からの閉鎖通告を乗り越えようとするデルタ・ハウスのメンバーたちの、破天荒で過激な行動が次々と繰り広げられる。その過激なユーモアと、若者の鬱屈した感情を代弁するような要素が、多くの観客の共感を呼んだ。
あらすじ
1962年、フェイバー大学。新入生であるブラッド・ドゥーリトル(トム・ハルシー)とラリー・マクドナルド(マーク・マクグラス)は、エリート学生寮のオメガ・ハウスへの入寮を希望するが、冷たくあしらわれてしまう。途方に暮れる二人がたどり着いたのは、大学の中でも評判の悪い、騒がしく、規律も何もないデルタ・ハウスだった。そこでは、ジョン・“ブルート”・ブラッドショー(ジョン・ベルーシ)をはじめとする、個性豊かで破天荒な学生たちが日々を謳歌していた。
デルタ・ハウスは、大学当局からは常に目の敵にされており、学長であるヴァーナー・ミンガス(ドナルド・サザーランド)や、オメガ・ハウスのリーダーであるロバート・ストーバー(ジェームズ・ディーン)らからは、閉鎖の標的となっていた。ミンガス学長は、デルタ・ハウスのメンバーに数々の規則違反があったことを理由に、彼らの除籍やデルタ・ハウスの閉鎖を決定する。
しかし、デルタ・ハウスのメンバーは、この窮地に屈することなく、ありとあらゆる手段を使って抵抗を試みる。彼らは、大学のキャンパスを舞台に、大規模なパーティーを開催したり、ミンガス学長をからかったり、オメガ・ハウスのメンバーに仕返しをしたりと、過激で爆笑必至の行動を連発する。その過程で、彼らは友情を深め、自分たちの居場所を守ろうと奮闘する。
キャスト
- ジョン・ベルーシ as ジョン・“ブルート”・ブラッドショー
- トム・ハルシー as ブラッド・ドゥーリトル
- マーク・マクグラス as ラリー・マクドナルド
- ドナルド・サザーランド as ヴァーナー・ミンガス
- ジェームズ・ディーン as ロバート・ストーバー
制作背景と影響
『お色気小娘カレッジへ行く』は、ナショナル・ランプーンという、風刺やブラックユーモアを特徴とする雑誌から生まれた作品である。その過激なユーモアと、当時の若者が抱えていた反権威主義的な感情が合致し、公開当時から大きな話題となった。特に、ジョン・ベルーシ演じるブルートのキャラクターは、多くの若者のカリスマ的存在となり、彼のコメディアンとしての地位を不動のものにした。
この映画は、その後の青春コメディ映画に計り知れない影響を与えた。下品なジョーク、過激なパーティーシーン、そして型破りなキャラクターといった要素は、多くの映画に模倣され、後の世代のコメディ映画のスタンダードを築いたと言える。また、登場人物たちが社会のルールや権威に反抗する姿は、若者の共感を呼び、一種の「青春のバイブル」のような存在にもなった。
批評と評価
公開当時、その過激な内容から賛否両論あったものの、批評家からは概ね好意的な評価を受けた。特に、ジョン・ランディスの監督手腕、ジョン・ベルーシの演技、そして脚本の斬新さが評価された。その後の長年にわたり、カルト的な人気を誇り、今なお多くのファンに愛され続けている。
一方で、その過激すぎるユーモアや、一部の描写に対して批判的な意見も存在する。しかし、それらの批判も含めて、この映画の持つ「タブーを恐れない」という姿勢こそが、多くの観客を惹きつける要因の一つとなっている。
まとめ
『お色気小娘カレッジへ行く』は、単なるお色気コメディにとどまらず、当時の若者の心情を代弁するような、痛快で破天荒な青春映画である。その過激なユーモア、印象的なキャラクター、そして後世に多大な影響を与えた点は、この映画が映画史に名を刻む作品であることを証明している。笑いと共感、そして少しの反骨精神を求めるならば、ぜひ一度は観るべき作品と言えるだろう。

コメント