妖女ゴーゴン

歴代SF映画情報

映画:妖女ゴーゴンの詳細・その他

作品概要

基本情報

  • 原題: Gorgon
  • 製作国: イギリス
  • 公開年: 1964年
  • 監督: テレンス・フィッシャー
  • 脚本: ジェームズ・アビー
  • 製作: アンソニー・ネルソン・キーズ
  • 音楽: ベイジル・カー
  • 撮影: アーサー・グラント
  • 編集: クリストファー・ネルソン・キーズ
  • 出演: ピーター・カッシング、クリストファー・リー、バーバラ・シェリー、リチャード・ワティス、レスリー・フィリップス、ジャック・グウィリム、クリストファー・アダムス
  • ジャンル: ホラー、ゴシック

あらすじ

19世紀後半、イギリスの田舎町。

静寂 に包まれたこの町で、不可解な死が相次いで発生していた。犠牲者は皆、石と化しており、その原因は恐ろしい怪物の仕業だと噂されていた。町の医師であるジュール・ハミルトン博士(ピーター・カッシング)は、この奇妙な現象に疑問を抱き、独自に調査を開始する。彼は、古文書に記されたギリシャ神話に登場する妖女ゴーゴンの伝説に辿り着く。

一方、近隣の城に住むシュルテン教授(クリストファー・リー)もまた、この怪事件に深く関わっていた。教授は、古代の儀式を研究しており、その過程でゴーゴンの恐るべき力を解き放つ方法を知ってしまう。そして、ゴーゴンは教授の手によって人間の姿を借り、町を恐怖に陥れていく。

ハミルトン博士は、シュルテン教授の計画を阻止し、町を救うために奔走する。博士は、ゴーゴンの弱点を見つけ出し、最終対決に挑む。はたして、人間は石と化す妖女の恐怖から逃れることができるのだろうか。

製作背景と解説

ハマー・フィルム・プロダクションズ

本作は、ホラー映画の製作で知られるイギリスのハマー・フィルム・プロダクションズが製作した作品である。ハマー・フィルムは、ゴシックホラーの伝統を受け継ぎ、怪奇とロマンス、そしてスリルを融合させた独特の作風で世界中で人気を博した。「妖女ゴーゴン」も、そのハマーらしい雰囲気が色濃く反映されている。

監督とキャスト

監督は、ハマー・フィルムの代表的な監督であるテレンス・フィッシャーが務めた。フィッシャー監督は、「吸血鬼ドラキュラ」や「フランケンシュタインの逆襲」などの傑作を手掛けており、「妖女ゴーゴン」でもその手腕を発揮している。

主演のピーター・カッシングとクリストファー・リーは、ハマー・フィルムの二枚看板とも言える俳優であり、本作でも存在感を放っている。カッシングは正義感の強い医師を、リーは怪しく謎めいた科学者を演じ、互いの演技が作品に深みを与えている。バーバラ・シェリーも、ヒロインとして印象に残る演技を披露している。

ゴーゴンというモチーフ

本作の中心となるモチーフは、ギリシャ神話に登場するメデューサをはじめとするゴーゴン姉妹である。ゴーゴンは、その姿を見た者を石に変える恐ろしい力を持つ怪物として知られている。映画では、この伝説を基に、科学と神秘が交錯する独創的な物語が展開される。ゴーゴンの恐ろしさが、独特の映像と効果音で巧みに描かれている。

映像と音楽

ゴシックな雰囲気

本作の映像は、ゴシックホラーの雰囲気を強調している。城や古い館、霧の深い森など、視覚的に印象的なシーンが豊富に盛り込まれている。暗い色調と光と影のコントラストを効果的に利用した撮影は、観客を異世界へと誘う。ゴーゴンの姿も、当時の技術ながら創意に富んだ表現で描かれている。

印象的な音楽

ベイジル・カーが手掛けた音楽も、本作の魅力の一つである。不気味で神秘的なメロディは、物語の緊張感を高め、観客の感情を揺さぶる。特に、ゴーゴンが登場するシーンで流れる音楽は、強烈な印象を残す。映像と音楽が一体となり、唯一無二のホラー体験を創り出している。

まとめ

「妖女ゴーゴン」は、ハマー・フィルムらしいゴシックな雰囲気と、ギリシャ神話のゴーゴンという独創的なモチーフを融合させた古典的なホラーフィルムである。テレンス・フィッシャー監督の演出、ピーター・カッシングとクリストファー・リーの演技、そして、印象的な映像と音楽が相まって、観客を深い恐怖と魅惑の世界へと誘う。ホラー映画ファンにとっては、必見の一作と言えるだろう。現在ではカルトな人気を誇り、不朽の名作として語り継がれている。

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