サンダーバード

歴代SF映画情報

サンダーバード:詳細・その他

作品概要

「サンダーバード」は、1965年から1966年にかけてイギリスで放送された、ジェリー・アンダーソンとメアリー・アンダーソン夫妻が率いるAPフィルムズ(後のセンダック・インターナショナル)が制作した特撮テレビシリーズです。高度な技術を駆使した国際救助隊「サンダーバード」の活躍を描き、その斬新な映像表現と魅力的なキャラクターで、世界中の子供たちから大人までを魅了しました。

物語は、世界各地で発生する災害や事故に対し、超最新鋭の秘密兵器である「サンダーバード」メカを駆使して、国際救助隊が人命救助を行うというものです。サンダーバードは、秘密基地「サンダーバード・ステーション」から出動し、それぞれの能力を活かして難局を乗り越えていきます。

物語の舞台と国際救助隊

秘密基地「サンダーバード・ステーション」

物語の主舞台となるのは、太平洋上の孤島に秘密裏に建設された国際救助隊の秘密基地「サンダーバード・ステーション」です。この基地は、地下に広がる巨大な設備と、地上の鳥の形をした格納庫で構成されています。基地は、通信システム、研究施設、そしてサンダーバードメカの整備・発進システムなど、最新技術の粋を集めたものとなっています。

国際救助隊のメンバー

国際救助隊は、トレーシー一家を中心に組織されています。

  • ジェフ・トレーシー:トレーシー一家の父親であり、国際救助隊の司令官。冷静沈着で的確な指示で部下を導きます。
  • スコット・トレーシー:長男。サンダーバード1号のパイロットを務める、勇敢で頼りがいのある青年。
  • バージル・トレーシー:次男。サンダーバード4号とサンダーバード2号のパイロットを務める、心優しい青年。
  • アラン・トレーシー:三男。サンダーバード3号のパイロットを務める、遊び心のある一面も持つ青年。
  • ゴードン・トレーシー:四男。サンダーバード4号のパイロットであり、水中救助のスペシャリスト。
  • ジョン・トレーシー:五男。サンダーバード5号のオペレーターを務め、宇宙からの監視を担当。
  • ファーザー:トレーシー家の執事であり、メカニックの天才。
  • レディー・ペネロープ・クレイトン・ウォード:イギリスに住む貴族で、トレーシー家の協力者。彼女の運転する「ファントム・クリーチャー」は、特殊な装備を備えています。
  • アロイシャス・ケーナイン:レディー・ペネロープの執事であり、元スパイ。

サンダーバードメカ

「サンダーバード」シリーズの最大の魅力の一つが、その斬新で機能的なメカニックデザインです。それぞれのメカは、特定の救助活動に特化した設計がなされており、その活躍ぶりは視聴者を興奮させました。

主要なサンダーバードメカ

  • サンダーバード1号:偵察・指揮・先行部隊。高速飛行能力を持ち、現場に真っ先に到着して状況を把握します。
  • サンダーバード2号:輸送・大型機材運搬。様々なコンテナを搭載し、現場で必要な機材を迅速に届けます。
  • サンダーバード3号:宇宙救助・宇宙ステーションへの人員・物資輸送。
  • サンダーバード4号:水中救助。小型で小回りが利き、潜水・水中活動に特化しています。
  • サンダーバード5号:宇宙ステーション。地球上でのあらゆる通信・救助信号を傍受・監視します。

これらのメカは、それぞれが独立した能力を持ちながらも、連携することでより困難な救助活動を可能にしていました。

映像技術と制作手法

スーパーマリオネーション

「サンダーバード」シリーズは、リアルな人形劇とミニチュア、そしてストップモーション・アニメーションを組み合わせた「スーパーマリオネーション」という独自の映像技術で制作されました。これにより、実写のような臨場感と、人形劇ならではの独特な雰囲気を両立させていました。

ミニチュアワーク

巨大なセットや精巧なミニチュアメカの造形は、当時のテレビ番組としては驚異的なレベルを誇り、視聴者に強烈なインパクトを与えました。特に、メカの発進シーンや爆発シーンなどは、綿密に作り込まれたミニチュアによって、迫力満点に表現されていました。

シリーズの展開と派生作品

「サンダーバード」シリーズは、オリジナルテレビシリーズの他にも、劇場版作品や、その後の時代に制作されたリメイク作品、CGアニメーション作品など、様々な形で展開されています。

  • 劇場版「サンダーバード」:オリジナルシリーズの間に制作された長編作品。
  • 「サンダーバード6号」:劇場版。
  • 「サンダーバード(2004年)」:実写映画化作品。
  • 「サンダーバード ARE GO」:2015年に放送されたCGアニメーションシリーズ。

これらの作品群は、それぞれが異なる時代背景や映像表現を取り入れつつも、「サンダーバード」が持つ「希望」「冒険」「科学技術」といった普遍的なテーマは引き継がれています。

その他

音楽

バリー・グレイが作曲したテーマ曲「サンダーバードのテーマ」は、非常に有名で、番組の壮大さと期待感を高める役割を果たしました。この音楽は、シリーズの象徴とも言える存在となっています。

後世への影響

「サンダーバード」は、その革新的な映像技術と、子供の夢を掻き立てるストーリーテリングで、後続の特撮作品に多大な影響を与えました。また、メカニックデザインの魅力は、現在でも多くのファンを魅了し続けています。

まとめ

「サンダーバード」は、単なる子供向け番組という枠を超え、その卓越した映像技術、魅力的なキャラクター、そして普遍的なテーマによって、世代を超えて愛され続ける不朽の名作と言えるでしょう。国際救助隊の活躍は、私たちに希望と勇気を与え、科学技術の可能性を感じさせてくれます。

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