ハワード・ザ・ダック／暗黒魔王の陰謀 [DVD]

映画ドラマ：ハワード・ザ・ダック／暗黒魔王の陰謀 [DVD]

1986年に公開された、マーベル・コミックの人気キャラクター「ハワード・ザ・ダック」を実写映画化した作品です。宇宙から地球に迷い込んでしまったアヒル型エイリアン、ハワードが、地球で様々な騒動を巻き起こすSFコメディ。

作品概要

監督は、後に『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズで世界的な成功を収めるロバート・ゼメキス。主演は、ハワードの声優としてエド・アッシャーが務め、実写パートではリー・トンプソンがヒロインを演じています。

物語は、クワークンという惑星で平和に暮らしていたハワードが、ある日、謎のエネルギー波によって地球に飛ばされてしまうところから始まります。言葉は通じるものの、見た目は完全にアヒル。そんなハワードが、偶然出会ったミュージシャン志望の女性ベヴァリー（リー・トンプソン）と行動を共にするうち、地球征服を企む悪の科学者（ティム・ロビンス）の陰謀に巻き込まれていきます。

SFXを駆使したハワードの造形は当時としては斬新でしたが、その独特なキャラクターと、ややグロテスクとも取れる描写、そしてブラックユーモア満載のストーリー展開は、公開当時賛否両論を巻き起こしました。

DVD版の特徴

本作のDVD版は、映画本編に加え、特典映像として

• メイキング映像
• オリジナル劇場予告編
• キャスト・スタッフによる音声解説

などが収録されています。特にメイキング映像では、ハワードの着ぐるみでの撮影や、特殊効果の裏側を知ることができ、当時の映画制作の苦労や工夫を垣間見ることができます。

音声は日本語吹き替えと英語オリジナル音声を選択可能。字幕も日本語字幕、英語字幕に対応しており、字幕なしで楽しみたい方にも配慮されています。

感想・口コミ

本作に対する評価は、公開から時を経た現在でも大きく分かれています。

好意的な意見

• 「カルト映画の代表格！独特の世界観がクセになる」「ハワードのキャラクターが最高に面白い」「ブラックユーモアが効いていて、思わず笑ってしまうシーンが多い」「ゼメキス監督の初期の才能を感じさせる作品」
• 「SFXの進化を実感できる。ハワードの動きがリアル」「ベヴァリーとの掛け合いがコミカルで楽しい」「今見ても色褪せない魅力がある」

といった声が多く聞かれます。特に、ハワードというキャラクターのユニークさや、ユニークな状況設定、そしてブラックユーモアを好む層からは、熱狂的な支持を得ています。

批判的な意見

• 「ストーリーが支離滅裂で理解しづらい」「グロテスクな描写が多くて苦手」「ハワードの見た目が生理的に受け付けない」「子供が見るには刺激が強すぎる」
• 「単なるB級映画の域を出ない」「期待外れだった」

といった意見も見られます。独特のキャラクターデザインや、大人向けのブラックユーモア、そして一部のショッキングな描写は、万人受けするものではないということを示唆しています。

総じて、本作は「好き嫌いがはっきり分かれる」作品と言えるでしょう。しかし、その奇抜なアイデアと、当時の最先端技術を駆使した映像、そして何よりもハワードという唯一無二のキャラクターは、多くの観客に強烈な印象を残しました。

その他

「ハワード・ザ・ダック」は、映画化以降もコミックシリーズとして展開され、マーベル・コミックの世界観の中で、時折登場する人気キャラクターとなっています。

映画版は、その後のアメコミ映画に大きな影響を与えたとは言えませんが、「アヒルが主人公のSFコメディ」という斬新な発想は、映画史においてもユニークな位置を占めています。

DVD版は、比較的手に入りやすい価格で販売されていることが多く、カルト映画ファンや、マーベル・コミックの初期の歴史に興味のある方には、一度は観てみる価値のある作品と言えるでしょう。ただし、視聴する際には、その独特のテイストを覚悟しておくことをお勧めします。

まとめ

『ハワード・ザ・ダック／暗黒魔王の陰謀』は、1980年代のSFコメディ映画として、その独特な魅力と賛否両論を巻き起こした作品です。ロバート・ゼメキス監督の初期作品であり、特殊効果やキャラクター造形においては当時の先進性が見られます。DVD版には特典映像も収録されており、制作の裏側を知ることができます。ハワードというキャラクターのユニークさやブラックユーモアが好きな層からはカルト的な人気を誇りますが、その奇抜な設定や描写は万人受けするものではありません。アメコミ映画の歴史におけるユニークな一作として、興味のある方には鑑賞をおすすめします。