ドリトル先生不思議な旅

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ドリトル先生不思議な旅

作品概要

『ドリトル先生不思議な旅』は、2020年に公開されたファンタジーアドベンチャー映画です。イギリスの作家ヒュー・ロフティングによる児童文学シリーズ「ドリトル先生」を原作としており、過去にも何度か実写映画化されていますが、本作はロバート・ダウニー・Jr.主演で、全く新しい解釈と冒険を描いています。物語は、動物と話せる風変わりな獣医師であるドリトル先生が、謎の病に侵された若き女王を救うために、個性豊かな動物たちと共に伝説の島へと旅立つ姿を描きます。

あらすじ

かつて、世界中を旅しては珍しい動物たちを助け、その才能ゆえに「獣医の達人」と称賛されたジョン・ドリトル医師。しかし、妻を亡くして以来、人里離れた屋敷に引きこもり、動物たちだけを話し相手にして暮らしていました。そんな彼の元に、若くして病に倒れたエリザベス女王を救ってほしいという、王国の使者が訪れます。女王を救う唯一の方法は、伝説の島にあるという「生命の木」の果実を見つけること。ドリトル先生は、かつての冒険仲間であった動物たち――臆病なゴリラのチーチー、おしゃべりなアヒルのダブダブ、気性の荒いキツネのトミー、そして勇敢なシロクマのヨシなど――と共に、危険に満ちた海へと船出します。彼らは、海賊や謎の敵、そして自然の脅威に立ち向かいながら、女王を救うための冒険を繰り広げます。

主要登場人物

ジョン・ドリトル

本作の主人公であり、動物と会話できる稀有な能力を持つ天才的な獣医師。妻を亡くした悲しみから、人との関わりを避けるようになり、動物たちとの生活に安息を見出していました。しかし、女王を救うという使命感から、再び外の世界へと踏み出します。皮肉屋でぶっきらぼうな一面もありますが、根は優しく、動物たちへの深い愛情を持っています。ロバート・ダウニー・Jr.が、持ち前のユーモアとワイルドな魅力を存分に発揮し、これまでにない魅力的なドリトル先生像を創り上げました。

スタブビンズ

ドリトル先生の屋敷で働く、若く純粋な青年。ドリトル先生の助手として、冒険に同行します。動物たちとのコミュニケーションには長けていませんが、先生の無茶な冒険を支える良き相棒となります。

エリザベス女王

謎の病に侵され、命の危機に瀕している若き女王。ドリトル先生に救いを求める存在です。

トレバー

ドリトル先生の屋敷に住み着く、新入りのリス。物語の途中でドリトル先生に拾われ、冒険に加わります。

動物キャラクター

本作の大きな魅力の一つは、個性豊かでCGでリアルに描かれた動物たちです。彼らは単なる仲間ではなく、それぞれが独自の個性、悩み、そしてユーモアを持っており、物語を大いに盛り上げます。

チーチー

臆病で心配性なゴリラ。ドリトル先生の忠実な仲間ですが、常に不安を抱えています。

ダブダブ

おしゃべりで食いしん坊なアヒル。毒舌で周りをからかうこともありますが、いざという時には頼りになります。

トミー

気性が荒く、皮肉屋なキツネ。かつてはドリトル先生に助けられた恩義がありますが、素直に感謝するタイプではありません。

ヨシ

勇敢で冷静沈着なシロクマ。ドリトル先生を信頼し、旅の安全を確保する役割を担います。

プリシラ

女王のペットであるインコ。

音楽

本作の音楽は、アカデミー賞®作曲賞を受賞したこともあるグレアム・キングが担当し、壮大で冒険心をくすぐる楽曲が映画の世界観を彩ります。特に、ドリトル先生が動物たちと心を通わせるシーンや、嵐を乗り越えるシーンなどで使用される音楽は、感情を揺さぶります。また、歌手のセレーナ・ゴメスが歌う挿入歌「Individual」も、映画のテーマとマッチしており、印象に残ります。

製作背景と見どころ

本作は、2019年の『アベンジャーズ/エンドゲーム』でアイアンマン役を演じきったロバート・ダウニー・Jr.の、マーベル・シネマティック・ユニバース卒業後、初となる主演映画としても注目されました。彼の新たな一面を見ることができる作品として、期待が寄せられました。監督は、『パディントン』シリーズで高い評価を得たポール・キングが務めており、ユーモアと温かさを兼ね備えた演出が期待されました。

本作の見どころは、何と言ってもドリトル先生と動物たちのコミカルで心温まるやり取りです。CGで緻密に描かれた動物たちは、まるで実写かのような存在感を放ち、彼らの会話はユーモアと感動に満ちています。また、ドリトル先生が妻を亡くした悲しみを乗り越え、再び世界と向き合っていく姿も、感動的に描かれています。

さらに、本作は『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのような海賊映画の要素や、ディズニー映画のようなファンタジー要素も含まれており、幅広い層が楽しめるアドベンチャーとなっています。ロバート・ダウニー・Jr.の演技はもちろんのこと、マイケル・シーン、ジェシー・バークリー、アントニオ・バンデラスといった実力派俳優陣が脇を固めている点も見逃せません。

その他

『ドリトル先生不思議な旅』は、子供から大人まで楽しめる、笑いあり、涙あり、そして感動ありのファミリーアドベンチャー映画です。動物との絆、そして喪失を乗り越える強さが描かれており、観る者に勇気と希望を与えてくれる作品と言えるでしょう。

まとめ

『ドリトル先生不思議な旅』は、ロバート・ダウニー・Jr.演じる新たなドリトル先生が、動物たちと共に繰り広げる壮大な冒険を描いた、ファンタジー・アドベンチャー映画です。原作の持つ魅力に、現代的なユーモアと視覚効果を融合させることで、世代を超えて楽しめるエンターテイメント作品となっています。動物たちの個性豊かな描写や、ドリトル先生の人間的な成長物語は、観る者の心を掴むことでしょう。家族みんなで楽しめる、心温まる一本です。

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