ゴーゴー仮面ライダー

SF映画情報

ゴーゴー仮面ライダー

作品概要

ゴーゴー仮面ライダーは、1971年(昭和46年)4月3日から1973年(昭和48年)2月10日まで、TBS系列で毎週土曜日19時00分から19時30分にかけて放送された、東映制作の特撮テレビドラマ作品です。仮面ライダーシリーズの第1作であり、石ノ森章太郎原作の「仮面ライター」を基にしています。

制作背景

子供たちの間でヒーロー人気が高まっていた時代背景の中、石ノ森章太郎の「仮面ライター」という、改造人間を主人公とした物語が、東映の目に留まります。当時の特撮テレビ番組は、怪獣や宇宙人が主流でしたが、「仮面ライター」は、人間でありながら特殊能力を持つヒーローという斬新な設定が、従来の枠にとらわれない新たな特撮ヒーローの可能性を秘めていると判断されました。

東映は、この原作を基に、より子供たちに親しみやすく、かつドラマ性を高めた作品として「ゴーゴー仮面ライダー」を企画。特撮技術の革新、魅力的なキャラクター造形、そして社会的なテーマの織り交ぜなど、後の特撮番組に多大な影響を与える要素が盛り込まれました。

あらすじ

本郷猛は、科学者としての才能と、オートバイレーサーとしての腕を持つ青年でした。ある日、彼は悪の秘密結社ショッカーに誘拐され、改造人間にされてしまいます。ショッカーは、人類を支配しようとする世界征服を企む組織であり、本郷猛は、その戦闘員として洗脳されるはずでした。

しかし、奇跡的に洗脳を免れた本郷猛は、ショッカーの野望を阻止するため、仮面ライダーとしてショッカーと戦うことを決意します。仮面ライダーは、サイクロン号という改造オートバイを駆り、ショッカーが送り出す怪人たちに立ち向かいます。バッタの能力を移植された仮面ライダーは、驚異的な跳躍力、キック力、そしてスピードを誇り、華麗なアクションで悪を打ち砕いていきます。

物語は、本郷猛が、ショッカーによって改造された緑川ルリ子(後に滝和也に変更)や、滝和也といった仲間たちと共に、ショッカーの怪人や首領たちとの激闘を繰り広げる姿を描きます。

登場人物

本郷猛 / 仮面ライダー

物語の主人公であり、ショッカーによって改造された青年。ショッカーの洗脳を免れ、人類のためにショッカーと戦うことを決意する。バッタをモチーフにした改造人間であり、サイクロン号を駆る。藤岡弘が演じた。

緑川ルリ子

ショッカーに協力させられていた科学者の娘。当初はショッカーの一員として登場するが、後に本郷猛に協力するようになる。藤浩子が演じた。

滝和也

国際的な秘密情報機関IBOのエージェント。冷静沈着で情報収集能力に長けており、仮面ライダーの良きパートナーとなる。小林昭二が演じた。

ショッカー

世界征服を企む悪の秘密結社。様々な怪人を生み出し、人類に脅威を与える。首領は謎に包まれている。

作品の特徴と功績

革新的なヒーロー像

ゴーゴー仮面ライダーが登場した当時、子供向けのヒーローは、正義のためだけに戦う理想の存在であることが一般的でした。しかし、本郷猛は、ショッカーに改造された悲劇のヒーローであり、人間としての葛藤や苦悩も抱えていました。この生身の人間味あふれるヒーロー像は、子供たちに強烈な印象を与え、共感を呼びました。

リアルなアクションと特撮

仮面ライダーのアクションは、当時の特撮番組としては異例のリアルさを追求していました。藤岡弘自身がスタントの多くをこなし、迫力あるキックや格闘シーンは、視聴者を魅了しました。また、サイクロン号の疾走シーンや、怪人の造形も秀逸であり、特撮技術の向上に貢献しました。

社会的なメッセージ

ゴーゴー仮面ライダーは、単なる勧善懲悪の物語にとどまらず、科学技術の功罪、人間の自由意志、差別や偏見といった社会の問題を織り交ぜていました。ショッカーの怪人たちは、人間を改造して作られており、犠牲となった人間たちの悲劇も描かれていました。これらのテーマは、子供たちに深い思索を促し、教育的な側面も持っていました。

シリーズの礎

ゴーゴー仮面ライダーは、「仮面ライダー」という巨大なフランチャイズの礎を築き上げました。その人気は爆発し、続編が次々と制作され、現在でも数多のファンに愛され続けています。変身ポーズ、決め台詞、特殊なバイクといった要素は、後続の仮面ライダーシリーズにも継承され、特撮ヒーロー文化に不可欠な存在となりました。

まとめ

ゴーゴー仮面ライダーは、単なる子供番組の枠を超え、日本の特撮テレビドラマの歴史において画期的な作品と言えます。人間味あふれるヒーロー、リアルなアクション、社会的なメッセージなど、当時の常識を覆す数々の要素が融合し、世代を超えて愛される不朽の名作となりました。その影響は今日まで色褪せることはなく、今後も多くの人々に勇気と感動を与え続けることでしょう。

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