キング・オブ・コング・アイランド(原題:The.${a} Kong)
作品概要
『キング・オブ・コング・アイランド』(原題:The.${a} Kong)は、2017年に公開されたアメリカのモンスター・アドベンチャー映画である。伝説の巨大類人猿「キング・コング」を題材にした「モンスター・バース」シリーズの一作であり、ピーター・ジャクソン監督による2005年のリメイク版『キング・コング』とは異なる、新たな世界観と物語が展開される。監督はジョーダン・ヴォート=ロバーツが務め、主演にはトム・ヒドルストン、ブリー・ラーソン、サミュエル・L・ジャクソンらが名を連ねる。
本作は、1973年、ベトナム戦争終結直後の時代を舞台としている。未知の島「スカル・アイランド」に調査のために派遣された科学者、元特殊部隊員、冒険家たちが、そこで太古から生き続ける巨大な生物「コング」と遭遇する。彼らは、島に潜むさらなる脅威、すなわち「スカル・クローラー」と呼ばれる恐ろしい怪物たちとの壮絶な戦いに巻き込まれていく。
ストーリー
島への招聘
1973年、冷戦の終結を目前にした時期。謎に満ちた島「スカル・アイランド」の存在が、ある写真によって明らかになる。これを機に、莫大な富を狙う実業家プレスマンは、調査隊を編成する。その隊には、一流の科学者たちに加え、元イギリス陸軍特殊部隊のトム・ヒドルストン演じるジェームズ・コンラッド、そして写真家のブリー・ラーソン演じるメイソン・ウィーバーらが参加することになった。
未知との遭遇
調査隊は、最新鋭のヘリコプターでスカル・アイランドへと向かう。しかし、島に到着するなり、彼らは巨大な生物「コング」の襲撃を受ける。ヘリコプターは墜落し、隊員たちは島に散り散りとなる。そこで彼らが目の当たりにしたのは、恐ろしくも神秘的な巨大生物たちの世界だった。
島に潜む脅威
コングは、島を守護する巨大な類人猿であり、島に侵入する人間たちを敵視する。しかし、島にはコングをも凌駕する恐怖の存在、「スカル・クローラー」が潜んでいた。スカル・クローラーは、凶暴で貪欲な捕食者であり、島に生息するあらゆる生物を脅かしている。調査隊は、生き残るために、そして島から脱出するために、コングとスカル・クローラー、そして島に潜むその他の巨大生物たちとの激しい戦いを繰り広げることになる。
生存への戦い
調査隊は、散り散りになった仲間を探し、合流を目指す。その過程で、彼らは島に隠された秘密や、コングとスカル・クローラーの壮絶な因縁を知ることになる。友情、勇気、そして絶望が交錯する中、彼らは生き残りをかけて、迫りくる脅威に立ち向かっていく。
キャスト
主要キャスト
- トム・ヒドルストン (ジェームズ・コンラッド役)
- ブリー・ラーソン (メイソン・ウィーバー役)
- サミュエル・L・ジャクソン (プレストン・パッカード大佐役)
- ジョン・グッドマン (ビル・ランダ役)
- トビー・ケベル (ジャック・チャップマン役)
- ジョン・C・ライリー (ハメルの船乗り役)
制作背景
「モンスター・バース」シリーズ
『キング・オブ・コング・アイランド』は、レジェンダリー・ピクチャーズが展開する「モンスター・バース」シリーズの第二弾にあたる。このシリーズは、ゴジラやキングコングといった、怪獣映画のアイコンたちを現代に蘇らせ、一つの共通世界線で描くことを目指している。本作は、その後の「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」や「ゴジラvsコング」へと繋がる重要な作品として位置づけられている。
新たなコング像
本作のコングは、従来の作品における「哀愁漂う存在」や「保護されるべき存在」といったイメージとは異なり、より原始的で獰猛な、島の支配者としての側面が強調されている。その巨体と圧倒的なパワーは、観客に強烈なインパクトを与える。また、CG技術の進化により、コングの毛並みや筋肉の動き、表情などがリアルに表現されており、その存在感を高めている。
舞台設定
物語の舞台である「スカル・アイランド」は、太平洋のどこかに存在する、外界から隔絶された秘境として描かれている。この島には、コングをはじめ、巨大な昆虫、恐竜のような生物、そしてスカル・クローラーといった、太古の生物たちが独自の生態系を築き上げている。その原始的で危険な自然環境は、映画のスペクタクル感を増幅させる要素となっている。
評価・興行収入
批評家の反応
本作は、公開当初、批評家から賛否両論の評価を受けた。アクションシーンの迫力や、CGによるクリーチャーの描写、そしてトム・ヒドルストンやブリー・ラーソン、ジョン・C・ライリーといった俳優陣の演技は高く評価された。一方で、ストーリー展開の単調さや、キャラクター描写の深みに欠けるといった指摘も見られた。しかし、モンスター・バースという新シリーズの幕開けとしての役割や、キング・コングというキャラクターの再定義という点では、一定の評価を得た。
興行成績
『キング・オブ・コング・アイランド』は、世界興行収入で約5億6800万ドルを記録した。これは、モンスター・バースシリーズとしてはまずまずの成績であり、続編制作への道を開いた。特に、中国市場での成功が、シリーズ全体の勢いを後押ししたと言える。
まとめ
『キング・オブ・コング・アイランド』は、スカル・アイランドという未知の島を舞台に、巨大類人猿キング・コングと、恐るべき怪物スカル・クローラーとの壮絶な戦いを描いた、アクション・アドベンチャー映画である。1973年という時代設定、そして「モンスター・バース」シリーズの一作としての役割など、様々な要素が盛り込まれている。迫力あるアクションシーンと、CGによってリアルに再現された巨大生物たちは、観客に興奮と驚きを与える。ストーリー展開には賛否両論あるものの、キング・コングというアイコンの新たな魅力を提示し、後のシリーズ作品へと繋がる重要な一歩となった作品と言えるだろう。

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