コント55号 宇宙大冒険

SF映画情報

“`html

映画:コント55号 宇宙大冒険

映画:コント55号 宇宙大冒険

「コント55号 宇宙大冒険」は、1969年に公開された日本映画です。
国民的人気を誇ったお笑いコンビ「コント55号」の坂上二郎と萩本欽一が主演を務め、
当時の若者文化を色濃く反映した、エネルギッシュでナンセンスなコメディ作品として
多くの観客を魅了しました。
無国籍な舞台設定、斬新なギャグ、そして主演二人のアドリブ満載の掛け合いが、
この映画の最大の特徴と言えるでしょう。

作品概要

公開年と製作

本作は、1969年(昭和44年)に東映東京撮影所で製作され、
松竹配給で公開されました。
監督は「網走番外地」シリーズなどで知られる俊英、石井輝男が務めています。
石井監督ならではの、荒唐無稽でありながらも一種独特の疾走感あふれる演出が、
コント55号の持つパワフルな笑いと見事に融合しました。
撮影はカラーで行われ、当時の映画としては派手な色彩感覚も特徴的です。

キャスト

主演は、もちろんコント55号坂上二郎萩本欽一です。
二人の息の合った(時にはズレた)掛け合いは、テレビ番組での活躍そのままに、
映画でも炸裂しています。
脇を固めるのは、当時第一線で活躍していた実力派俳優たちです。
由紀さおりがヒロイン役を演じ、その初々しい魅力が作品に彩りを添えています。
また、室田日出男殿山泰司小松方正といった個性派俳優陣も、
強烈なキャラクターで作品を盛り上げています。
さらに、天地茂伊吹吾郎蜷川幸雄なども出演しており、
豪華な顔ぶれが、この映画のエンターテイメント性を高めています。

ストーリー

物語は、突如として地球に飛来した謎の宇宙船から始まります。
その宇宙船の乗組員は、宇宙の平和を乱す存在「宇宙ギャング」でした。
彼らの目的は、地球の「平和」という概念を奪い去ること。
この危機に立ち向かうべく、地球防衛隊が結成されます。
その防衛隊に、ひょんなことからスカウトされたのが、
偶然にも宇宙船に乗り込んでしまった坂上二郎萩本欽一でした。
彼らは、持ち前のドタバタ劇と奇想天外な発想で、宇宙ギャングの野望を阻止しようと奮闘します。
サイケデリックな宇宙空間、奇妙な宇宙人たち、そして予測不能な展開が、
観客を飽きさせません。
ストーリーは、SFコメディというジャンルに収まらず、
アクション、アドベンチャーの要素も多分に含んでいます。

作品の魅力と特徴

コント55号の化学反応

この映画の最大の魅力は、何と言ってもコント55号の二人が織りなす、
予測不能な掛け合いにあります。
アドリブを多用し、台本にないようなセリフや行動が随所に盛り込まれています。
それが、単なる脚本通りの演技ではなく、生きた、勢いのあるコメディを生み出しました。
坂上二郎の豪快なボケと、萩本欽一の鋭いツッコミ、そして時折見せる哲学的な(?)
独り言などが、絶妙なバランスで観客を笑いの渦に巻き込みます。
二人のキャラクターが、宇宙という非日常的な舞台で、さらに増幅されるのです。

石井輝男監督の異色作

「東映任侠映画の巨匠」としても知られる石井輝男監督が、
コント55号という異色のタッグのために、その才能を遺憾なく発揮しました。
単なるお笑い映画に終わらせず、サイケデリックな映像表現、
シュールなギャグ、そして時折垣間見える社会風刺など、
石井監督ならではの個性が光ります。
「宇宙」という舞台設定を最大限に活かし、
当時の最新技術(といっても現代の基準からすれば原始的ですが)を駆使した
特撮や美術も、この映画のユニークさを際立たせています。
色使いやカット割りなど、映像の端々に監督の遊び心が感じられます。

時代を映すカルチャー

1969年という時代は、若者文化が花開き、SFへの関心も高まっていた時期です。
本作は、そうした時代の空気を色濃く反映しています。
宇宙、UFO、そして「平和」というテーマは、当時の人々が抱いていた夢や不安を象徴しているかのようです。
また、コント55号の持つ、既存の価値観にとらわれない自由奔放なスタイルは、
まさに当時の若者たちの心情と共鳴していました。
映画全体に流れる、どこか反体制的で、型にはまらないエキセントリックな雰囲気は、
この時代の特異性を物語っています。

評価と現在

公開当時、興行的に大きな成功を収め、コント55号の映画スターとしての地位を確立しました。
そのナンセンスで、時に過激とも言えるギャグの数々は、賛否両論を巻き起こすこともありましたが、
多くの観客にとっては、日頃のストレスを吹き飛ばすような痛快なエンターテイメントとして
受け入れられました。
現在では、カルト的な人気を誇る作品として、映画ファンやコント55号のファンによって
語り継がれています。
単なるお笑い映画としてだけでなく、当時の日本の映画界における実験的な試みや、
時代を映す鏡として、再評価する声も少なくありません。
DVD化などもされており、今なおその強烈な個性を放ち続けています。

まとめ

「コント55号 宇宙大冒険」は、コント55号という稀代のお笑いコンビの才能、
石井輝男監督のユニークな演出、そして1969年という時代背景が奇跡的な融合を果たした、
唯一無二のSFコメディ映画です。
その予測不能な展開、アドリブ満載の掛け合い、そしてサイケデリックな映像は、
観る者に強烈なインパクトを与え、深い笑いと驚きをもたらします。
単なる懐古趣味ではなく、今見ても色褪せないエネルギーと面白さを秘めた、
日本映画史における貴重な一本と言えるでしょう。
未知なる宇宙を舞台にした、コント55号ならではの「大冒険」は、
今も多くの人々の心に刻まれています。

“`

コメント