三大怪獣 地球最大の決戦
概要
『三大怪獣 地球最大の決戦』(さんだいかいじゅう ちきゅうさいだいのけっせん)は、1964年(昭和39年)12月21日に東宝株式会社が製作・配給した日本の特撮怪獣映画であり、ゴジラシリーズの第5作です。東宝チャンピオンまつりとして公開されました。
あらすじ
太平洋の孤島・インファント島で、奇妙な現象が観測される。それは、かつて恐れられた怪獣・モスラが、不吉な予兆とともに二匹の幼虫を産み落とし、そして突如として凶暴な金色の巨人・ラドンが出現したというものだった。一方、地中深くに潜んでいたゴジラも、その眠りから覚め、世界各地で破壊活動を開始する。
インファント島の小美人(小美人族)は、モスラの幼虫たちと共に地球を襲う怪獣たちの脅威を察知し、人類に警告を発するために日本へやってくる。しかし、彼女たちの言葉は誰にも信じてもらえず、次第に混乱は深まっていく。そんな中、国連は自衛隊を率いて怪獣たちに立ち向かうが、ゴジラとラドンの猛攻に為す術もなく、敗北を喫する。
絶望的な状況の中、小美人は人類を救うため、そして地球の平和を取り戻すために、かつてインファント島を襲った巨大な神獣・モスラを復活させることを決意する。そして、ゴジラ、ラドン、そして復活したモスラという、三匹の怪獣が激突する、地球最大の決戦が幕を開ける。
登場怪獣
ゴジラ
前作『モスラ対ゴジラ』でインファント島に封印されたはずの、地球最大の怪獣。地中深くに潜んでいたが、人類の活動による地殻変動をきっかけに復活。圧倒的な破壊力で各地を蹂躙する。
ラドン
「空飛ぶ火の鳥」とも呼ばれる翼竜型の怪獣。インファント島でモスラの繭から孵化。凶暴で攻撃的。
モスラ
インファント島の守護神であり、巨大な蛾の姿をした怪獣。二匹の幼虫が、地球の危機を救うために成虫へと進化し、ゴジラ、ラドンと激しい戦いを繰り広げる。
キャスト
- 宝田明(ゴジラ役の声、および人間キャラ)
- フランキー堺(神話学者・香月博士役)
- ひし美ゆり子(小美人・役名なし)
- マリア・アナン(小美人・役名なし)
- 藤原釜足(インファント島部族長)
- 佐藤允(自衛隊隊長)
- 中丸忠雄(新聞記者)
スタッフ
- 監督:本多猪四郎
- 脚本:馬淵薫
- 特技監督:円谷英二
- 音楽:伊福部昭
- 製作:東宝
制作秘話・その他
『三大怪獣 地球最大の決戦』は、ゴジラシリーズにおいて、「三大怪獣」というコンセプトを初めて導入した作品であり、後のシリーズ作品にも大きな影響を与えました。また、本作からゴジラは当初の「悪役」から「正義の味方」としての側面を持つようになり、そのキャラクター性が大きく変化した転換点でもあります。
小美人族という、異文化との交流や、彼女たちの歌声による平和への祈りが描かれている点も特徴的です。この小美人の歌は、本作のテーマである「平和への願い」を象徴しており、多くの人々の心に響きました。
特撮シーンでは、円谷英二監督による迫力ある怪獣の描写が存分に発揮されており、特に三匹の怪獣が激突するクライマックスシーンは、当時の技術の粋を集めたものでした。
本作は、単なる怪獣映画に留まらず、「核兵器」や「自然破壊」といった社会的なメッセージも内包しており、子供だけでなく大人も楽しめる作品として、現在でも多くのファンに愛されています。
また、音楽面では、伊福部昭氏による荘厳で力強い楽曲が、怪獣たちの存在感と物語のスケール感を一層引き立てています。特に、ゴジラのテーマ曲や、モスラのテーマ曲は、シリーズを象徴する名曲として知られています。
本作は、日本国内だけでなく、海外でも公開され、高い評価を得ました。特に、モスラというユニークな怪獣のキャラクターは、海外の観客からも注目を集めました。
まとめ
『三大怪獣 地球最大の決戦』は、ゴジラシリーズにおける「怪獣王」としてのゴジラの地位を確立し、同時に、怪獣が「地球の守護者」となりうる可能性を示唆した、シリーズの歴史において非常に重要な作品です。三匹の怪獣が繰り広げる壮絶なバトル、小美人の歌声に込められた平和への祈り、そして伊福部昭氏の音楽が織りなす感動的な物語は、公開から数十年を経た今も、多くの観客の心を掴んで離しません。本作は、怪獣映画の枠を超えた、「地球の命」や「平和」といった普遍的なテーマを扱った、不朽の名作と言えるでしょう。

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