ブラック・アイズ 奴らに襲われたら、終わり。 [DVD]

SF映画

ブラック・アイズ 奴らに襲われたら、終わり。 [DVD]

映画ドラマ:ブラック・アイズ 奴らに襲われたら、終わり。 [DVD]

作品概要

映画ドラマ「ブラック・アイズ 奴らに襲われたら、終わり。」は、2010年に公開されたサバイバル・ホラー映画です。製作国はアメリカ合衆国、原題は「The Last Exorcism」。監督はダニエル・スタムが務め、主演はアシュリー・ベル。本作は、POV(一人称視点)で撮影されており、ドキュメンタリータッチで恐怖を描き出す手法が特徴です。悪魔に取り憑かれた少女と、彼女を救おうとする牧師の姿を通して、人間の恐怖心や信仰のあり方を問いかけます。

あらすじ

主人公は、牧師のコットン・マーカス。彼は数々の悪魔祓いを成功させてきたと自負していたが、その実態は巧妙なトリックに過ぎなかった。そんな中、彼はルイジアナ州の田舎町で、悪魔に取り憑かれたとされる16歳の少女、ネリー・ビスモアの元を訪れる。ネリーの父親は、娘の異常な言動に悩み、コットンに助けを求めたのだ。コットンは、いつものように悪魔祓いを実行しようとするが、ネリーの症状は彼が経験したことのないほど異常で、次第に事態は予期せぬ方向へと転がっていく。コットンは、科学や信仰では説明できない恐怖に直面し、自身の存在意義すら揺るがされていく。

感想・口コミ

映像表現と恐怖演出

本作の最大の特徴は、そのPOV撮影による生々しい映像表現にあります。手持ちカメラで撮影された映像は、観客をあたかもその場にいるかのような臨場感で包み込みます。特に、ネリーの体調が悪化していく様子や、悪魔祓いの儀式が進行するにつれて高まる緊張感は、観る者に強烈なインパクトを与えます。直接的なゴア表現は抑えめながらも、じわじわと忍び寄る心理的な恐怖、そして突如として訪れるショッキングな展開が、観客の精神を蝕んでいきます。

演技

主演のアシュリー・ベルの演技は、本作の評価を大きく左右する要素と言えるでしょう。彼女は、悪魔に取り憑かれた少女の、狂気と純粋さが入り混じった複雑な感情を圧倒的な表現力で演じきっています。その鬼気迫る演技は、観客に強い印象を残し、恐怖を増幅させる要因となっています。また、コットン・マーカスを演じるパトリック・ファビアンも、自身の信仰と現実との葛藤に苦悩する姿を繊細に演じており、物語に深みを与えています。

テーマ性

「ブラック・アイズ」は、単なるホラー映画にとどまらず、人間の信仰や恐怖といった普遍的なテーマを扱っています。悪魔祓いという超常現象を通して、人々が抱える不安や迷い、そしてそれらを乗り越えようとする人間の強さ(あるいは弱さ)が描かれています。特に、 コットン・マーカスが自身の信じるものに疑念を抱き、真実を求めていく姿は、観客に「何が真実なのか」を問いかけるメッセージを含んでいます。

賛否両論

本作は、その斬新な演出やテーマ性から高く評価される一方で、一部からは「後半の展開が尻すぼみ」といった意見や、「POV撮影が酔いを誘う」といった意見も見られます。特に、クライマックスにかけての展開は、観る人によっては期待外れと感じる可能性もあります。しかし、そうした意見も含めて、観客に強い印象を残す作品であることは確かです。

その他

DVD特典

DVDには、メイキング映像や未公開シーン、監督・キャストのインタビューなどが収録されている場合があります。これらの特典映像は、本作の制作背景や、キャスト・スタッフの意図をより深く理解する助けとなるでしょう。

視聴にあたって

本作は、POV形式のホラー映画であり、ショッキングなシーンや精神的な恐怖を伴います。心臓の弱い方や、グロテスクな表現が苦手な方は、視聴に注意が必要です。また、POV形式の映像に慣れていない方は、酔いを感じる可能性もあります。

まとめ

「ブラック・アイズ 奴らに襲われたら、終わり。」は、POV撮影を効果的に用いた、緊迫感あふれるサバイバル・ホラー映画です。アシュリー・ベルの圧巻の演技と、心理的な恐怖を巧みに描いた演出は、観る者に強烈な印象を与えます。単なる恐怖描写に留まらず、信仰や人間の内面といったテーマにも触れており、鑑賞後も考えさせられる作品と言えるでしょう。賛否両論ある作品ではありますが、ホラー映画ファンなら一度は体験しておくべき一本と言えます。

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