太陽を盗んだ男 - キャラムービーズ

『太陽を盗んだ男』(1979年)は、長谷川和彦監督による日本映画で、主演は沢田研二。中学校の理科教師が自作の原子爆弾で政府を脅迫するという、異色のサスペンス作品です。

基本情報

公開日:1979年10月6日

上映時間:147分

監督・脚本:長谷川和彦

共同脚本:レナード・シュレイダー

音楽:井上堯之(作曲)、星勝(編曲)

製作:キティ・フィルム

配給:東宝

ジャンル:アクション/サスペンス

あらすじ

主人公・城戸誠(沢田研二)は、東京の中学校で働く平凡な理科教師。ある日、修学旅行中にバスジャック事件に巻き込まれ、警部・山下満州男(菅原文太)に救出される。この事件をきっかけに、城戸は原子力発電所からプルトニウムを盗み出し、自宅で原子爆弾を製造。完成後、警察に脅迫電話をかけ、山下警部を交渉相手に指名する。彼の要求は、プロ野球中継のノーCM放送やローリング・ストーンズの来日公演など、突飛なものばかり。目的も思想も曖昧なまま、国家を相手にした孤独な戦いが始まる。

 主なキャスト

城戸誠:沢田研二

山下満州男警部:菅原文太

沢井零子(ゼロ):池上季実子

田中警察庁長官:北村和夫

仲山総理大臣秘書:神山繁

バスジャック犯:伊藤雄之助

市川博士:佐藤慶

撮影と制作の舞台裏

本作は、実際の国会議事堂や皇居前、首都高速道路などでゲリラ撮影を敢行し、リアリティを追求しました。また、撮影には相米慎二や黒沢清など、後に日本映画界を代表する監督たちがスタッフとして参加しており、彼らのキャリアの出発点ともなっています。

受賞と評価

キネマ旬報ベスト・テン:第2位(1979年)

毎日映画コンクール:監督賞(長谷川和彦)

日本アカデミー賞:最優秀助演男優賞(菅原文太)

また、2018年にはキネマ旬報が選ぶ「1970年代日本映画ベストテン」で第1位に選出されるなど、時代を超えて高い評価を受けています。

 テーマとメッセージ

本作は、特定の思想や目的を持たない主人公が、国家権力に対して無意味とも思える要求を突きつける姿を描いています。これは、当時の日本社会における若者の虚無感や反体制的な空気を象徴しており、現代においてもそのメッセージ性は色褪せていません。

視聴方法

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現在、『太陽を盗んだ男』は以下のプラットフォームで視聴可能です:

U-NEXT:見放題配信中

Amazon Prime Video:レンタル・購入可能

『太陽を盗んだ男』は、エンターテインメント性と社会的メッセージを兼ね備えた、日本映画史に残る名作です。その独特な世界観と大胆な演出は、今なお多くの映画ファンを魅了し続けています。

この記事を書いた人

ヒューズ

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