ウルトラセブン
概要
「ウルトラセブン」は、1967年(昭和42年)10月1日から1968年(昭和43年)9月8日まで、TBS系列で毎週日曜19時から放送された、円谷プロダクション制作の特撮テレビドラマシリーズです。ウルトラマンシリーズの第2弾として位置づけられ、その後のシリーズ作品に多大な影響を与えた、不朽の名作として現在も多くのファンに愛されています。
世界観とストーリー
物語は、地球侵略を企む様々な宇宙人や怪獣から、人類を守るために地球に派遣された、M78星雲光の国のウルトラ警備隊の隊員、モロボシ・ダンの活躍を描きます。ダンは、正体はウルトラセブンという宇宙人であり、地球の平和を守るために、その強大な力と知略を駆使します。彼は、ウルトラアイという特殊な眼鏡をかけることで、本来の姿であるウルトラセブンに変身します。
本作は、単なる怪獣退治の物語にとどまらず、人間の心の闇や社会問題、環境問題など、当時の日本が抱えていた様々なテーマを織り交ぜた、メッセージ性の強い作品としても知られています。子供向けの番組でありながら、大人が見ても考えさせられるような深い内容が、多くの視聴者の共感を呼びました。
登場人物
モロボシ・ダン(ウルトラセブン)
本作の主人公であり、ウルトラ警備隊の若きエース隊員。普段は飄々とした性格だが、いざという時には冷静沈着な判断力と卓越した戦闘能力を発揮する。その正体は、M78星雲光の国の宇宙人、ウルトラセブン。地球の平和を守るために、単身地球にやってきた。彼の活躍は、地球人の希望の光となる。
ウルトラ警備隊
地球防衛軍が組織する、宇宙からの侵略者に対抗するための特殊部隊。個性豊かな隊員たちが、モロボシ・ダンと共に地球の平和を守るために戦う。
キリヤマ隊長
ウルトラ警備隊の頼れるリーダー。冷静沈着で、的確な指示でチームを率いる。
アンヌ隊員
紅一点の隊員。優しく、思いやりのある性格で、モロボシ・ダンとも親しくなる。看護師としての腕も確か。
フルハシ隊員
ムードメーカー的存在の隊員。時に軽口も叩くが、戦闘においては頼りになる存在。
ソガ隊員
実直で真面目な性格の隊員。力強く、勇敢に戦う。
アマギ隊員
冷静で知的な分析が得意な隊員。科学知識を駆使して事件を解決に導く。
メカニックと武器
ポインター
ウルトラ警備隊が使用する、高性能の特殊装甲車。流線型のデザインが特徴的で、様々な特殊装備を搭載している。
ウルトラホーク
ウルトラ警備隊の主力戦闘機。複数機が存在し、それぞれに名称(アルファ、ベータ、ガンマ)が付けられている。空中戦において絶大な威力を発揮する。
ウルトラアイ
モロボシ・ダンがウルトラセブンに変身するために使用する、眼鏡型のアイテム。普段は普通の眼鏡と変わらないが、地球の危機が迫ると、ウルトラセブンの姿へと変身させる。
代表的なエピソードと怪獣
「ウルトラセブン」は、数々の名エピソードを生み出しました。
『故郷は地球』
シリーズ開始を飾るエピソード。宇宙からの侵略者「ゴドラ星人」と、彼らが操る巨大ロボット「キングジョー」との激闘が描かれる。
『狙われた街』
平和な街を襲う「ダンガー」の恐怖を描く。子供たちの無邪気さと、怪獣の残忍さが対比され、衝撃的な内容となっている。
『セブン暗殺計画』
ウルトラセブンが、正体を隠しながら故郷に帰ろうとする「デスプール」の陰謀に立ち向かう。シリーズ後半のクライマックスを飾る重要なエピソード。
登場する怪獣も、個性豊かで印象深いものが多い。
エレキング
可愛らしい外見とは裏腹に、強力な電撃を放つ怪獣。
パンドン
二つの顔を持ち、強力な攻撃力でセブンを苦しめる。
メトロン星人
地球人に化けて潜伏し、平和な日常を破壊しようとする。
演出と音楽
「ウルトラセブン」の演出は、従来の怪獣特撮の枠を超え、よりリアルでシリアスな描写が特徴です。特に、怪獣の造形や、特撮シーンの迫力は、当時の子供たちに大きなインパクトを与えました。
また、池野成信氏による、壮大で感動的な劇伴音楽も、作品の魅力を一層引き立てています。オープニングテーマ「ウルトラセブンの歌」は、今なお多くの人に歌い継がれる名曲です。
後世への影響
「ウルトラセブン」は、その後のウルトラマンシリーズはもちろん、日本の特撮作品全体に多大な影響を与えました。複雑な人間ドラマ、社会風刺、そして洗練された特撮技術は、子供向け番組の可能性を大きく広げました。
現在でも、映画、OVA、イベントなど、様々な形で展開されており、世代を超えて愛され続ける、まさに日本の特撮史における金字塔と言えるでしょう。
まとめ
「ウルトラセブン」は、単なるヒーローアクション番組ではなく、深いメッセージ性と感動的なストーリー、そして卓越した特撮技術が融合した、芸術性の高い作品です。モロボシ・ダンという魅力的な主人公、個性豊かなウルトラ警備隊の仲間たち、そして数々の印象的な怪獣たちが織りなす物語は、放送から半世紀以上を経た今も、私たちの心に強く響き続けます。子供の頃に夢中になった世代はもちろん、まだ見たことのない世代にも、ぜひ一度は触れていただきたい、珠玉のエンターテイメント作品です。

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